このドキュメントはテストを行う方に必ず精読してもらいたいものではなく、詳細にテストを行いたい方にとって有用な資料となることを目的にしています。また、作者自身にとってのロードマップでもあります。
FTE Ver.0.3はVer.0.2以前とは大きく路線を変えています。
最大の変更点・テーマは「停滞と均衡からの脱却」です。
緊張ある均衡を目指した従来のデータを捨て、変化と遷移に満ちたファーレントゥーガを提供できるようなデータとは何かを模索しています。
また、イベントのボリュームを増やすことで、プレイ中の変化率を高めようとしています。しかしながら、そのボリュームがプレイヤーを圧迫することは可能な限り避けたいので、個々の要素(イベント・戦闘)については内容を洗練し、質量を削ります。
ファーレントゥーガ本体の持ち味である導入の軽さを保ちつつ、プレイヤーが堪能できるだけのボリュームを投入したいというのが理想です。
均衡を目指したバランスを取るのは比較的簡単で、工数もかかりません。
しかし、実行テストを行っても緩やかな結果しか見えず、その全容を確認するには非常に長い時間がかかります。
これに対して、変化を前提とした流動的、かつ一定の律を持ったデータを作る場合、製作の段階で大量の実データとそれを手に入れるための時間が(そして可能ならばそれを解析するための人手が)必要になります。
その代わり、製作段階で仕様を詰められるのでテストの結果は明確です。仕様で定めた「傾向」が確かに発生している事だけを確認すればいいからです。
FTEではこの不均衡によるデータを作る事を目指し、テスト環境を作ることを考えました。
テストはFTEの持つべきデータはどのようなものかを明確にする事、明確にする事で複数の選択肢から何を選び、どうアップデートしていけばいいのかを決める事、ひいてはFTEの完成度を高める事を目的としています。
今回、Ver.0.3公開までに行われるテストのテーマはCharacterDataです。上の目標を達成するための最適なCharacterDataはどのようなものか、完成させるには至らなくとも、その方向性は明確にすることを目的としています。このテストで得た物は全てFTE本体に反映されます。
テストの期間は無期限です。このテストの達成度に関わらず、Ver.0.3は形になり次第公開します。(バージョンアップ・スケジュール)
時間は限られています。限られた時間の中でどこまで完成度を上げられるのか、それはやってみないとわかりません。やったからといって完成度が本当に上昇するという保証も、当然ながらありません。
各項目について、何をテストしたらいいのかをできるだけ具体的に書いていきます。このチェック項目の順序は、ほぼテスト環境のアップデート順番と一致します。テストを進めながら、徐々にテスト項目を増やしていく予定です。
FTEでは全てのキャラを9つの型(Type)に分類します。
明確な能力値を打ち立てる事で戦闘を分かり易くしたいというのもありますが、最大の目的はデータ構造の簡略化。頻繁かつ大幅な調整・変更に耐えられる、つまりはより単純なデータを維持するためのものです。
この項目におけるテストは、それぞれの型がうまくできているか、異なる型同士の関係が想定どおりにできているかどうかをチェックする事になります。
(資料:パラメータ基本型 詳細)
理想的なのは"理解しておけばちょっと攻略が楽になる"程度。"理解しないと進まない"ではNG
FTEでは全ての一般ユニットに一定のクラスチェンジ能力を持たせています。
このクラスチェンジ構造や、下位クラスと高位クラスの関係がプレイヤーにとって適切に働いているかをチェックします。
能力値は一般Aクラスが最強。人材はHPでは一般を上回るが能力はBクラス
(資料:パラメータ基本型 詳細)
魔法は魔法使い系キャラをはじめ、ほとんどの一般高位クラス、人材、マスターが使用できるもので、一撃必殺の攻撃力、パラメータの上昇、回復等限られた使用回数に見合う、非常に高い効果を発生させます。
必殺技は主に高位クラス、人材、マスターが使用できます。ノーリスクで一方的なダメージを与えられるのが利点ですが、ややコスト過多の傾向があります。
このような使い勝手を本当に実現できているかどうか確認するのがここでのテスト内容です。
(資料:魔法と必殺技の位置付け)
一定のデータ型に個性をもたせるため、FTEではクラスチェンジで繋がった一般キャラクターに「兵種」という概念を持たせ、パラメータの補正を行っています。
これによってバリエーションは増えますが、せっかくの基本パラメータ構造を壊してしまうような補正をかけてしまっては、意味がなくなります。
このようなデータの逸脱が起こらない範囲での適切な「兵種補正」を設定していきます。
資料:兵種について(8/13公開予定)
マスターはプレイヤーが最も頻繁に扱うキャラなので単体の項目を作ります。
ひととおりのデータバランスが固まった後、そのようなマスターが持つべき能力値とは何かをテストによって改めて模索していきます。
倒れにくく、単独でもそれなりの戦果を残し、引く時はちゃんと引ける、つまりデフォのマスターに近づけるのが理想です。
(資料:一般・マスター・人材、それぞれの位置付けについて(製作中))
経験値に比べて能力が高すぎる場合と低すぎる場合の両方がNG。
パワーバランスを整えるための布石として、まずどのような一般/人材の雇用システムを作るかを模索します。
様々なパターンを作り、それぞれのパターンについて以下のチェックを行ってどのような勢力展開が繰り広げられるかを調べ、その中から最適な雇用システムを選択します。
このテストはVer.0.4公開前には行いたいと考えています。
また、そのように使えるキャラとはどの程度の強さを持つキャラか
これはむしろ達成できないほうがいいか?
これについては後記のパワーバランスとの兼ね合いもあるのでこの段階ではテストできないかもしれない
ある程度は許容するにしても、そういう人材が多すぎる状態はNG
FTEではできるだけ戦力の遷移を激しくしたい、戦闘を頻繁に発生させたいと考えています。
そのためには各マスターの力関係が最初から最後まで大きく不均衡であることが必要になりますが、単純な不均衡ではワンパターンな戦力推移を起こしてしまいます。
ワンパターンを起こさない、なおかつ歪で不均衡な力関係を作り出すために、下記項目のテスト・データを集めます。
資料:マスター別パワーバランス/コストの方向性について(詳細未定)
単体キャラの持つべき適切な経験値はいくらか
雇用能力の高い、資金の豊富なマスターが飛びぬけて強くならないようにしたい
クラスチェンジしやすいキャラがどれほど戦力に影響するか、またそういう勢力がどれくらい領土を広げるかを計る
そもそもクラスチェンジによる戦力の上昇がどれほど影響するか?
逆にランクアップによる上昇率(最大166%)を基準にすると適切な値は見えてくるかもしれない。高すぎる場合、低すぎる場合にどんな現象が起こるかから調べる必要あり
最後まで常に格差を作る必要がある。そのためには一般・人材キャラをよく消耗しないといけない。
詳細は次のテスト項目にて。
設定したパワー・バランスをゲーム後半まで維持するためには、戦略コストを詳細に設定する必要があります。
その詳細とは具体的にはどの要素で、どんな値なのか?また、何処まできめ細かくやればいいのか?それを具体的にするためのデータを集めるのがこのテスト項目の目的です。
また、プレイヤー側からするとあまりコストの回収に時間がかからないようにしたいし、溜まりすぎて使い道がないというのもあまり歓迎できないはずです。そのためのコスト設定も付け加える必要があるでしょう。
Ver.0.5公開までになんとかその解が見えるようになる事を目標とします
領土が増えれば必要人員も増える。収入が増えれば多くのキャラが雇えるようになる。ただし、頭打ち(キャラ満タン、999Lay)も発生しやすくなる
勝っても負けても大きく消耗するのが理想
やはり長引いても5,6ターン以内がいい
後半の数百Layの収入を消費できるキャラを用意しなければならない(Bクラス、またはAクラスキャラの雇用を可能にするべきか?)
できれば最後まで「高いキャラは高い」低コストのキャラを雇う機会が得られるのがよい。でもCOMにそれをやらせるのは多分無理。
回収できるようでは温いか?
人材捜索の苦労を考えると放浪人材の方が僅かにローコストであるべき。ただし、そのコスト関係に見合う能力値に抑えなければならない
主にVer.0.5以降に実装されるイベント関連の項目になります。詳細が固まり次第追加する予定です。