FTE Ver.0.3 製作に関する最終報告

はじめに

FTE Ver.0.3は協力者を募集しての共同制作という形をとりましたが、途中で多くのミスを犯しました。

また、製作期間の長期化も伴って自分の認識も大きく変わってきたため、当初定めていた方向性に比べていびつな成果物となりました。

製作上の反省点、それを受けて今後どうするかをここに報告してVer.0.3製作の締めくくりとします。

目次

FTE Ver.0.3 製作の反省点

 

ストーリー共同制作の失敗

今回、ストーリー関係部分、主にイベント本体への実装を前提としたイベント脚本の共同制作を試みる。

しかし、実際にどんな作業が発生するか見積る事無く見切り発進したのがそもそもの間違い。

作業中に行った見積でストーリー製作の共有に必要な資料作成にかかる時間が400hを超える事がわかる。

一日平均二時間の作業なので、単純に200日かかる計算となる。

作業時間の削減を目的とする共同制作はこの時点で失敗していた。

結局、時間までに必要最低限の資料を用意する事もできず、協力者に過剰な作業負担を与え、離脱者が続出した。

この問題の改善案を探したが、判ったのはプロジェクトの指揮をする人間が一日二時間しか働けないのでは問題外だという事。

今後製作の共有は停止し、新しい方向性を模索しつつ単独での製作を行っていく。

 

画像製作の難航と最近の問題点

上記のストーリー製作が全く成立しなかった為、作業は難航。

協力者に想定以上の作業負担を与える結果となった。

しかし、協力者の協力なサポートのおかげで当初、可能なラインは50%と考えていたアイコンの実装率を、計画目標の80%まで進める事ができた。

顔グラについては想定の2倍以上の成果となった。

一方で、十分な資料を用意できない、自分がコミュニケーションに時間を割く余裕もないせいで作業内容のすれ違いが起こる等、新しい問題も垣間見える。

今後は後述のシステム縮小に伴い、まずはグラフィック寄りの資料製作を進めていく事で支援を行っていく。

 

データ構築についてのミス

結論を先に書くと、目に見えるデータである事を失念していたため失敗した。

Ver.0.3の当初のデータは、一定のルールに基づいて、各キャラクターの関係を厳密に数字で表したデータを目指す。

テスター様方の提供された十分なデータのお陰でテストの段階で仕様通りの現象をゲーム中に起こす事に成功。しかし、プレイ感触の評価は最後まで芳しくなかった。

原因はデータの見た目の悪さ、解り難さにある。

たとえ、どんなにバランスのいい構造を作っても、それがプレイヤーから見て難解では(ことファーレントゥーガにおいては)意味が無い。 対応としてマニュアル製作を考えたが、そこまで考えて今のデータがファーレントゥーガのテイストに反する概念に至った事に気づいた。

結果、最終リリースの段階で大規模な修正を行い、Ver.0.206よりも精度、完成度の低いデータによる公開となった。

今後の方向としては、実質的なゲーム中のデータ表現に傾倒せず、単純な見た目の判り易さを重視して作っていく。Ver.0.206のデータを再利用する予定。

具体的に一定の見た目とバランスを生み出すためには、一体ずつ打ち込んでいくしかない為、特別に作業時間を割く必要がある。

 

イベントスクリプトの肥大化

Ver.0.3の人材帰還イベントはVer.0.206のものを継承し、さらに展開したものを実装した。

しかしこのイベントの容量はキャラクターの数、フィールドの広さに比例して肥大化し、現在イベントスクリプトは切り詰めても500kb以上となっている。

既に最終的な可動ラインと定めている500kbを超えているため、フィールドとキャラクターを減らすか、このようなイベントを削減する必要がある。

FTEはある範囲のキャラクターについて、全てにエピソードを持たせるというキャラクター重視のシナリオを目標としている。 このため削れるキャラクターは自作のオリジナルキャラのみ。(今回オリジナルマスターを外したのもこれが理由である。)イベント肥大の原因となっているキャラクターを削るという方向は今のところ考えていない。

ここまで作っての結論として、FTEにこの人材帰還イベントはもう搭載できないと判断する。以降のバージョンでは縮小の方向で調整を行う。

システム的なイベント構築がなくなることで、全体の作業スケジュールも大幅に変更される。詳しくは後日公開予定のスケジュールを参照。

まとめ:今後どのように作業を継続していくか

 

状況と個人的な認識の変化から

FTE Ver.0.3を製作する間に起きた大きな出来事としては、著作権者であるあとあと氏がまだメッセージを発進できる状態である事が確認できた事が挙げられる。

こちらの行き過ぎた行為に対しては私的や停止の要求を出してもらえる見込みが持てるようになったので、今後FTEはさらにファーレントゥーガの二次創作物という路線を明確に製作活動を展開していく。

システム部分に関わるイベントの肥大化という問題、自分の手持ちスキルの拡大、加えてこの二年で変化したプレイヤー層、PC環境を鑑みて、今後FTEは当初のシステム重視路線を外れ、シナリオ・キャラクター重視の作りこみを行っていく。

 

ストーリー共同製作の縮小と今後

ストーリ製作は個人的には今後より力を注いでいく事になるが、作業的には製作状況の共有をあきらめ、一人で行うことにする。関連資料は大筋を除いて製作そのものを凍結。

代わりに創作ネタ板を積極的に利用し、原案・小ネタ・思いつきのメモ・全く本筋と関係の無いどうでもいい設定等の不完全成果物等を書き込むことでストーリー製作の公開、共有製作の方向を模索していく。

それら書き込みに対する展開、コメント、また協力者の方々の投稿等を柔軟に受け入れつつ、リリース時にはそれらをまとめて一つの成果を作り上げる予定。

 

画像製作の展開について

方法としては現状と変わらず、成果物については画像製作者の意欲に任せる方向で継続していく。

現在公開中の共有資料は、従来のシステム・イベント寄りの構成から画像製作を支援するため構成にシフトしていく。

また、可能ならば自分も成果物の製作に参加する予定。

加えて、人的補強にも努めたい。
とは言うものの、公募がナンセンスとなると、いかにスカウトやそれに類する行動に時間を割くべきかという問題がある。むしろやりようがない。

 

データのダウンデート

データについてはVer.0.206を再利用し、一定のデータ範囲を設定つつ、一体ずつ丁寧に打ち込んでいくという従来の製作方法に戻して再構築を行う。

Ver.0.3で得たノウハウであるテンプレートマクロは使えるはずなので以前ほどの過大な作業時間は発生しないものと思われる。

ただし、当面の問題はスケジュールとの関係をどう繋ぐかという事。特別に時間を割かないと作れないが、どれだけの時間を割けばいいのかも読めない。どれくらい時間がかかるか読めないので先送りになるという悪循環だけは起こさないように気をつける事にする。

具体的には、成果のレベルではなく一定の時間で作業を区切って、その途中成果によるアップデートを最終リリースまで続けていくことにする。

 

スクリプト容量削減策

人材イベントを見直し。次バージョンへは一旦削除の方向で進める。別の良案が見つからなければそのまま削除で確定となる。。

一般のストーリー展開イベントについては、EvSSを強化する事で、ある程度の軽さとコンパクトさを両立したイベントの製作を目指す。

このレベルの作業は特別に一つのバージョンをもってやる事ではないので、Ver.0.5は計画から消滅することになる。これに伴いスケジュールは大幅に変更される。

以上の反省をもとに、今後もシナリオ製作を継続していきます。


ドキュメント作者:mirror

更新日:2004-11-03(水) 8:00